従業員50人未満のお店のためのエクセル勤怠管理・給与計算

お店、とくにパート・アルバイトさんを雇っている方、毎月給与締め日がくると、タイムカードを元に給与計算。結構たいへんですよね?

また、本来であれば、締め日が来る前でも、今人件費がいくらかかっているのか?
複数店舗の場合はどの店舗でどのくらいの人件費がかかっているのか?売上に対して人件費予算はオーバーしていないか?
無駄な人員、効率の悪い人員配置になっていないか?
等々を、リアルタイムで把握して策を講じていきたいところです。

でも・・・

  • 給与計算ソフトを購入しようと思ったけど高くて手が出ない
  • 給与計算ソフトを購入したけど、むずかしくて使えない
  • 税理士さんなどにお願いしたら結構高い

なんて感じで、結局給与締め日になってからタイムカードを手計算・・・をしている会社さんも多いのではないでしょうか。
特に従業員数が30〜50人くらいの規模では

手で計算するのは大変で把握が難しいけど、かといってソフトウェアや専門家に委託するのにはお金がかかりすぎる

というなんとも中途半端なことになっているのではないかと思います。
そんな課題を感じている方におすすめしたいのが、エクセルをつかったカンタンな勤怠管理です。

  • 毎日日報代わりに入力していくことで、人件費や勤務時間がリアルタイムで集計できる
  • エクセルなので、普段使っているソフトで、使いやすい
  • すでにエクセルがインストールされているPCがあればお金をかけずにはじめられる
  • エクセルでデータ化しておけば、今後専用ソフトを導入したときにも以降しやすい

こんなメリットがあります。

従業員50人未満のお店のためのエクセル勤怠管理

こんな人に向けた記事です。

  • 従業員の給与計算が大変
  • どのスタッフ、どのお店が、どのくらい人件費、勤務時間がかかっているかリアルタイムで知りたい
  • でも、専用のソフトを導入したり専門の人間を雇うほどの費用はない
  • エクセルをつかって勤怠管理しているけど、もうすこし便利にしたい
  • SUM関数や、VLOOKUP関数などを使ってエクセル表をつくっているけどもうちょっと便利にしたい

そんな方に、エクセルをつかった勤怠管理の時に使える機能を紹介していきます。

とりあえず使い始められるサンプルファイルを作ってみました

非常に汎用的な内容ですが、エクセル勤怠管理の帳票を作ってみました。
ダウンロードしてみてください。

エクセル勤怠管理(ダウンロード

使い方

  • 店舗マスタに店舗の情報を入力します
  • 社員マスタに社員の情報を入力します。
    • 店舗IDを入力すると店舗マスタから店舗名を参照します。
    • 勤務時間と人件費は自動計算されます。
  • 店舗集計表、社員集計表の上部にある年と月を入力します。
  • あとは、勤怠入力のシートを毎日入力していくだけです。
    • 社員IDと店舗IDを入力しあとは、日時、出勤時間、退勤時間、休憩時間を入力していくだけ。
    • 時間を入力するときは、00:00 の形式で入力してください。

こんな感じで勤怠の必要最低限のデータをリアルタイムで集計していくシートをつくることができます。
もちろん、これは汎用的なものなので、企業によっては色々とつけくわえたりしなければいけない要素があると思います。

なので、このシートを作るときにつかった関数や、エクセルの便利設定などを紹介して、エクセル勤怠管理をしたい人のお役に立てればと思います。

エクセルで勤怠管理をするときに便利な関数や設定

「 16:00+16:00=8:00? 」にならないために
エクセルで時間の計算をするための書式設定

エクセルは[ 8:00 ]みたいな形式で入力すると、時間であると認識してくれます。
なので、そのまま足し算すると、時間として足してくれるんです。

例えば
[ 1:30 + 1:30 = 3:00 ]になってくれる。

これ、とても便利なんですが、実は落とし穴があって、「時刻」として認識し計算するので、
例えば
[ 16:00 + 16:00 ] など、合計が24:00を超える計算をしてしまうと、答えが、8:00など、になってしまうんですね。
16時の16時間後は8時という計算です。

でも勤怠計算のときいは、[ 16:00 + 16:00 ] は、32:00 になってほしいですよね。

そんなときは以下の設定で大丈夫です。

  1. 時間の入力をするセルを選択します。
  2. 右クリックして「セルの書式設定」
  3. 書式設定ウインドウが開くので「表示形式」を選択
  4. ユーザ定義を選択
  5. 入力欄に [h]:mm と入力します。
  6. OKをクリック

上記設定で、8:00 などの入力が 時刻ではなく、時間であると認識されるので、16:00+16:00=32:00 というように表示されます。

(参考)

Googleで「エクセル 時間 24時間以上」等と検索するとわかりやすい情報がでてきます。

時間を入力するときに、「:」の入力が面倒な人のための設定

エクセルで数値を入力するときに、テンキーを使う人も結構いると思います。
毎日の入力ですからなるべくカンタンに入力したいですよね。
でも、時間入力するときに困るのが「:」です。
これ、テンキーで入力できなかったり、キーボードでも普段あまり入力しないボタンなので、なれないと打ち間違ったりしちゃうこともあります。
そんな人に「:」をカンタンに入力する方法があります。

ちょっとややこしいので、やり方は下記参考サイトを見ていただきたいのですが

.(ドット)を2つ続けてうつことで、自動的に「:」に変換するという設定です。

これをやると時間入力の時間がめちゃくちゃ短縮されます。

(参考サイト)

エクセルでの時刻の簡単入力方法
http://www.fujicom.co.jp/salon/it_info/51/51.html
オススメとしては上記の方法ですが、
「エクセル コロン 入力」などで検索すると、他にもいろいろな便利方法がでてきます。

実は意外と知られていない「SUMIFS」関数

エクセルには伝統的につかわれている「SUMIF関数」というものがあります。
例えば範囲を指定して合計を出す「SUM関数」に加えて、この行の値が●●だった行の値だけを足し算する。というものです。

実はエクセルの2007バージョンでは、これの機能を拡張した、「SUMIFS」という関数があります。
昔からエクセルを使っている人は、なまじ「SUMIF」を使いなれているもので、このSUMIFSが新しく追加されたことを知らない人が結構います。

このSUMIFS関数は、SUMIF関数に比べて、条件式を複数設定できるという利点があります。

給与計算をするときなどに、この店舗の、このスタッフの勤務時間だけを合計したいなんてときがありますが、これは今までのSUMIF関数ではできなかったのですが、そういう複雑な条件設定ができるようになりました。

とても便利です。

(参考)

こちらも、「SUMIFS関数」などで検索しましょう。いろいろなわかりやすい情報がでてきます。

見た目をキレイに表示したいエラーを非表示にする「IFERROR」関数

エクセルで表をつくっていると、エラーが出てしまうことがあります。
とくに、計算結果など、今後データ入力されるとエラーではなくなるけど、それを見越して枠だけ作っておくとエラーが出ちゃう。
なんてときがあると思います。

そんなときに使ってもらいたいのが「IFERROR関数」です。

これはエラーのときは、「エラー」を表示せずに、0とか空白とか代わりの値を表示してくれる関数です。
つくった帳票をキレイにしたいときに使えます。

※伝統的にはIF関数で、エラーの時はこれをするという処理を書いている人がいますが、関数をずっと短く読みやすい関数で書くことができます。

(参考)

こちらも、「IFERROR関数」などで検索しましょう。いろいろなわかりやすい情報がでてきます。

経理ソフトとの連携

税理士さんや、経理ソフトとの連動について。

せっかくデータで管理しているのですから、それらを経理ソフトなどと連携したいですね。
最近の経理ソフトは、エクセルなどからデータを取り込むための設定が簡単にできるようになっています。

税理士さんや経理ソフトのサポートに相談していると、実はエクセルで給与計算した内容からそのまま給与仕訳ができるところまで連携できるかもしれません。

さいごに

以上、
実は、最近、某お客様といっしょに、エクセルで勤怠管理用の帳票を組み上げたのですが、その時に実際に感じた事や、便利だった設定を思い出しながら備忘録として書いてみました。
基本的なエクセル操作はできるけど、一歩進んで経理事務に活かしたい。
そんな時にお役にたてたら嬉しいです。